一粒萬倍-A SEED-に込めた想い

一粒萬倍 一粒萬倍

コンセプト

日本のこころ。それは「感謝」のこころだと思います。
この精神性は、木の枝、石ころ、お箸、あらゆるものに神様が存在していると感じてきた、私たち祖先の感性、生き方のなかで育まれてきたものだと思います。


いま2020年のオリンピックに向けて様々な国の人たちが日本を訪れています。そんな中、「日本とはどんな国ですか?」という問いに私たちはどう答えるでしょうか?四季のある国、和食のおいしい国、技術大国などなど、様々な答えがあると思います。
しかし、そうした源流には、八百万の神々の存在を感じながら生きてきた私たち祖先の生き方、精神性があるのではないでしょうか。


美しいから四季なのではなく、自然のなかで生かされていることへの感謝のこころがあるから、四季の移り変わりに喜びを感じることができる。 四季折々の食材を使うから和食なのではなく、食材一つ一つのいのちと自然の恵みに感謝のこころで料理するのが和食であり、ネジや部品の一つ一つにもカミサマが宿っていると感じてモノづくりに魂を込めているのが日本の匠のこころなのだと思います。


日本を伝えるということは、文化を伝えることであり、その背景にある物語を伝えること。神話には日本を知る上で、様々なメッセージが含まれていると思います。例えば天の岩戸隠れの物語では、岩戸に隠れたアマテラスを力ずくで引き出すのではなく、岩戸の前で神々が宴会をして自ら出てくるのを待っています。また何か問題があればすぐに神々が集まって、多数決でなく皆が納得するまで話し合います。それが私たちの祖先となる神様たちの考え方、生き方でした。


灯台下暗し。日本に住んでいても気が付かない素晴らしいことが、まだまだたくさんあります。素晴らしい日本の文化と伝統、こころを次世代へ継承していく。そして、世界の人たちに、私たちの文化へのさらなる理解を深めてもらう。この舞台が、そんなきっかけになればと思っています。


ご縁がありましてこの場をご一緒できた皆さまと共に、日本のこころと美を継いでいければと思います。


舞台「一粒萬倍 A SEED」とは

この舞台は、私が1988年に渡米して外から日本を見てきたなかで、いつか自分なりの「日本」を表現したいという思いからスタートしました。そして、私たちの精神性や文化を含め、日本とは何か?その源流とは?を探しているなかで、日本の神話に辿り着きました。


神話の一文では、男でもない女でもないアメノミナカヌシという神様が姿を現し、そしてすぐに姿を隠されます。このアメノミナカヌシは宇宙の始まりのビッグバンだったのではないか?という想定のもと、宇宙の誕生から次々と生まれてくる八百万の神々、そこから稲穂が誕生し、私たちの世界に五穀豊穣の恵みがもたらされるというストーリーを「融合と調和」をテーマに、舞踊と演奏〜能、狂言、日本舞踊、現代舞踊、生け花が一つに繋がり、邦楽囃子、和太鼓、箏、バイオリン、チェロの演奏で表現した古代ビジュアル絵巻の舞台となっています。


古典と現代、東洋と西洋を組み合わせる事で、単体だけでは感じることができなかった「日本」の伝統と新しい魅力を、幅広い世代と様々な人たちに感じて頂ければと思います。


芸能の原点は収穫への感謝と祈念にあります。この舞台では、そうした原点に立ち戻り、この瞬間を生きていることへの喜び、自然の恵みへの感謝、そして国、人種、宗教を超えた世界の調和を祈念する奉納舞台として、この「一粒萬倍A SEED」を上演させていただきます。


一粒萬倍制作委員会  代表 松浦靖